プロ野球のプレーオフについて

今日は全く畑違いの話題を。

プロ野球ペナントレースが大詰めを迎えている。セリーグはほぼ決した感があるが、パリーグは3チームのどこが1位になるかわからない状況。80年代末期の熱パと呼ばれた時代を思い出す大接戦。

しかし当時と大きく違う点がある。いうまでもなくプレーオフである。3位までのチームに日本シリーズ出場のチャンスがあるこの仕組み。導入された2004年以降、西武、ロッテといずれも2位のチームが出場権を勝ち取り、結果として日本一にもなっている。

この制度を来年からセリーグも導入することが決まっているのは周知の通りだが、ペナントレースの価値の重みをなくすことはいうまでもない。興業という視点に立てば、優勝争いから脱落したチームのモチベーション維持、観客動員、ファンの盛り上がりを考えれば、仕方のない一面もあるが、現行の制度はあまりにも1位チームに不利ではないだろうか。

個人的には(やるのであれば)以下のようなプレーオフにしてほしいと思っている。

1)下位チームが自チームより順位が上のチームに順番にチャレンジしていく。
2)試合は1試合のみ。
3)上位チームはホームで試合ができる。
4)6位のチームも参加できる。ただし参加したらリタイア不可。
5)チャレンジマッチはハンディキャップマッチ。対戦相手のゲーム差がそのまま相手の得点として最初からカウントされている状態でプレーボール。
6)チャレンジマッチは移動日なしの最大5連戦。かつ延長引き分けなし。最後まで戦って決着をつける。
7)_.5ゲーム差の場合、上位チームが次のどちらかを選択する。
 ①.5を切り捨てる場合…8イニングに短縮
 ②.5を切り上げる場合…10イニングに延長

この方式の肝はゲーム差がハンディとなること。例えば、昨日の時点でペナントレースが終了したとすると、セリーグの場合

1位:中日
2位:阪神…首位と5ゲーム差
3位:ヤクルト…2位と7.5ゲーム差、首位と12.5ゲーム差
4位:巨人…3位と4ゲーム差、首位と16.5ゲーム差
5位:広島…4位と4ゲーム差、首位と20.5ゲーム差
6位:横浜…5位と3.5ゲーム差、首位と24ゲーム差

という状況なので、
1回戦:広島vs横浜は
①広島3対0横浜の状態でスタートし、8イニング勝負
②広島4対0横浜の状態でスタートし、10イニング勝負
のどちらかとなる。

横浜がこれを勝つと
2回戦:巨人vs横浜は
①巨人7対0横浜の状態でスタートし、8イニング勝負
②巨人8対0横浜の状態でスタートし、10イニング勝負
のどちらかとなる。

さらにこれに勝利すれば、
3回戦:ヤクルトvs横浜は
①ヤクルト11対0横浜の状態でスタートし、8イニング勝負
②ヤクルト12対0横浜の状態でスタートし、10イニング勝負
のどちらかとなる。
さすがにこの点差ともなると、上位チームに勝つのは難しいが”奇跡”が起きたとすると、
4回戦:阪神vs横浜は
阪神19対0横浜でスタートの9イニング勝負
となる。
19点差を逆転する可能性はないだろうが、ここでも”奇跡”が起きたとすると、
5回戦:中日vs横浜は
中日24対0横浜でスタートの9イニング勝負
となる。

最下位のチームであっても、このハンディキャップマッチ地獄の5連戦で5連勝(しかも全て敵地、移動日なし)するようなら、優勝チームとしての価値はあるだろうし、これを逆転されるようなら1位のチームにふさわしいとはとてもいえないだろう。

首位と20ゲーム離された3位のチームと、首位と6ゲーム差の最下位のチーム、どちらがより上のチームかという点に立てば、この方式の方が優れているだろうし、最後の最後まで消化試合をつくらないようにしようとするプレーオフの目的にも合致している。

ファンも”奇跡”に挑戦する贔屓のチームの姿を見れば、不可能とわかっていても応援したくなるもの。高校野球の一発勝負のトーナメントがもたらす面白さや感動がプロ野球でも見られる筈。視聴率低下云々も吹っ飛ぶことだろう。

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