今週のJ-REIT

今週は4営業日すべて東証REIT指数が最高値を記録するという歴史的な一週間。黎明期ならいざ知らず、ある程度市場として確立されたこの時期での現状は驚嘆に値する。

要因は幾つか考えられる。
①一頃心配された金利上昇懸念が薄らいでいること。
②株式市場の低迷による投資家の資金シフト。
③不動産市場の回復。
④大手不動産会社(REITの母体)の好決算。
といったところである。

個人的にはREIT系ファンドの動向が大きいと考えている。
1.東証REIT指数が好調。
2.投資家がREIT系ファンドに資金シフト。
3.REIT系ファンドが流入資金を使って、市場でREITを購入。
4.購入需要の増大により、各銘柄の投資口価格が上昇。
5.4により、東証REIT指数がさらに上昇。
以下繰り返し。

これらの好循環を証明するのが、日本ビルファンドとジャパンリアルエステイトの最高値更新が連鎖反応的に起きていることではないだろうか。東証REIT指数TOPIX同様の時価総額型によって算出されるインデックスであり、「時価総額の大きな銘柄の動向に左右されやすい」という特徴を持つ。東証一部上場REIT全銘柄の時価総額に対してこの2銘柄だけで全体の約4分の1を占めるのだから、その影響力はTOPIXに対するトヨタ自動車の比*1ではない。

来週は森ヒルズリートの上場も控えている。さらに資金シフトが続くだろう。またこの好況ぶりを逃すまいという公募増資を公表する銘柄も出てくる可能性が高い。その筆頭候補は権利落ちしたDAオフィスであり、その条件は揃いすぎているくらいだ。権利落ちした他の銘柄、ユナイテッド・アーバン、日本レジデンシャル、クレッシェンド、阪急リート、ビ・ライフの動向も要注意。増資サイクルからすれば、日本レジデンシャルは有力候補だし、ユナイテッド・アーバンも久しく公募増資をしていない。また阪急リートは投資口価格と総発行投資口数のバランスからしてももう一歩上の規模のファンドへのステップを目ざしてもおかしくない。

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*1:ちなみにトヨタ自動車東証一部全銘柄の時価総額比で約5%程度である。