今年のJ−REIT

2006年の大納会時における状況は以下の通り*1

  • 東証REIT指数:1990.43(1601.68)
  • 上場銘柄数:40銘柄(28銘柄)
  • 時価総額:4兆9458億9990万円(2兆8456億2812万3千円)
  • 日経平均:1万7222円83銭(1万6111円43銭)
  • TOPIX:1681.07(1649.76)

日経平均やTOPIXと比べると東証REIT指数が出色の上昇を見せたことがよくわかる。約24.3%の上昇は2004年〜2005年の上昇率の約3倍。いかに昨年の市場が元気だったかを物語る一つの証左である。時価総額もそう。新規上場や公募増資といった理由以外に、単価そのものの上昇が加わった。

さて今年はどうか。東証REIT指数の2000ポイント&時価総額5兆円突破は年初早々に達成するだろうが、問題は年内にどこまで行くか。鍵を握る存在の1つは今年の新規上場銘柄だが、森ヒルズリートに続く上場銘柄候補を挙げると、

昨年上場を延期したエコロジー・リート投資法人も再上場するだろうし、日本商業施設ファンド投資法人野村不動産レジデンシャル投資法人は今年上場すれば、スポンサーの力から見てもあっという間に全銘柄の中でも中位に食い込むだろう。

そして既銘柄の公募増資にも期待したい。全銘柄の公募増資状況を見てみると

銘柄名 総発行投資口数 直近の公募増資年月日 直近の公募増資口数 備考
日本ビルファンド 508,000 2006/03/17 80,000
ジャパンリアルエステイト 410,000 2006/10/24 64,600
日本リテールファンド 386,502 2006/09/21 78,000
オリックス不動産 225,372 2005/09/14 47,500
日本プライムリアルティ 530,000 2005/02/02 95,000
プレミア 101,400 2005/05/31 22,000
東急リアル・エステート 169,380 2005/08/02 26,700
グローバル・ワン不動産 76,400 2004/10/27 28,000
野村不動産オフィスファンド 265,903 2006/05/25 34,800
ユナイテッド・アーバン 159,843 2004/12/01 75,800
森トラスト総合リート 160,000 上場後公募増資なし。
日本レジデンシャル 186,809 2005/12/12 41,000
東京グロースリート 53,899 2006/07/31 25,000
フロンティア不動産 110,400 上場後公募増資なし。
ニューシティ・レジデンス 164,068 2006/11/24 40,000
クレッシェンド 60,492 2005/12/15 13,700
日本ロジスティクスファンド 108,800 2006/02/08 46,500
福岡リート 107,050 2006/09/08 15,000
プロスペクト・レジデンシャル 75,100 上場後公募増資なし。
ジャパン・シングルレジデンス 34,111 上場後公募増資なし。
ケネディクス不動産 157,000 2006/05/01 73,660
ジョイント・リート 86,000 2006/10/18 28,500
イーアセット 63,500 上場後公募増資なし。
FCレジデンシャル 32,700 上場後公募増資なし。
DAオフィス 100,000 上場後公募増資なし。
阪急リート 69,400 上場後公募増資なし。
アドバンス・レジデンス 53,200 上場後公募増資なし。
スターツ・プロシード 63,577 2006/11/21 25,700
エルシーピー 59,300 上場後公募増資なし。
ジャパン・ホテル・アンド・リゾート 91,700 上場後公募増資なし。
トップリート 155,000 上場後公募増資なし。
クリード・オフィス 97,400 上場後公募増資なし。
ビ・ライフ 41,260 上場後公募増資なし。
日本ホテルファンド 42,200 上場後公募増資なし。
リプラス・レジデンシャル 61,400 上場後公募増資なし。
ジャパンエクセレント 134,800 上場後公募増資なし。
日本アコモデーションファンド 109,680 上場後公募増資なし。
MIDリート 183,625 上場後公募増資なし。
日本コマーシャル 257,400 上場後公募増資なし。
ヒルズリート 129,800 上場後公募増資なし。

昨年の上場組は仕方ないとしても、2005年上場組で公募増資をしたのは6銘柄で、していない銘柄の方が多い。この辺が今年を占う上で一つの注目ポイントである。時期的に「そろそろ」なのは日本プライムリアルティを筆頭に、オリックス不動産、プレミア、東急リアル・エステート、ユナイテッド・アーバン、日本レジデンシャルといった三役クラスといったところ。そして何といっても最注目銘柄は日本ビルファンドだろう。時価総額1位の銘柄だけに公募増資は市場に与えるインパクト大。公募増資の規模次第では年内に1兆円ファンドとなるかもしれない。それが実現すれば東証REIT指数も昨年並みの上昇も期待できる。

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*1:カッコ内は2005年の大納会