昨年の投資信託設定状況

昨年はJ−REIT特化型投資信託の設定が一段落し、J−REITを組み込んだバランス型投資信託やグローバル・リートの設定*1が目立ったと思う。

特化型の代表例は6月21日に設定された「ニッセイJ−REITファンド(2ヵ月決算) 」と12月18日に「野村日本不動産投信」である。昨年末時点における前者の純資産総額は約461億円、後者のそれが約539億円だから、この2ファンドだけで約1000億円近いマネーが、J−REITの受け皿になった。「ニッセイJ−REITファンド(2ヵ月決算) 」の設定日だが、この前日に記録的な落ち込み*2を見せた東証REIT指数が、記録的な上昇*3をした日*4である。このファンドの運用会社であるニッセイアセットマネジメント社は名前の通り日本生命のグループ会社で保険契約者から集めた保険料の資産運用を担当する。世界に誇る「セイホ」マネーが与える影響力の大きさを物語る。今年は他の保険会社系の資産運用会社でも、同様のファンドが設定される可能性が高い。と、なれば自ずと高値安定を続けることになる。

一方、バランス型の代表例は3月14日に設定された「6資産バランスファンド(安定・分配)」、3月31日に設定された「3資産バランスオープンアルファ」、5月30日に設定された「住信 財産四分法ファンド(毎月決算型)」、7月7日に設定された「世界8資産ファンド(安定・分配・成長)」、11月28日に設定された「ライフハーモニー(ダイワ世界資産分散ファンド)(安定・分配・成長)」といったところ。J−REITへの投資比率はそれぞれ順に、10〜20%、10%、10%、10%、5%で、昨年末時点における純資産総額も順に、約430億円、約321億円、約850億円、約1017億円、約1362億円。特化型に比べればそれほどでもないが、特化型より純資産総額が大きくなりやすいのもバランス型の特徴。純資産総額が5000億円になれば、10%程度の投資比率でも500億円になる。これは軽視できない数字である。

さて今年はどのくらい特化型投資信託J−REIT組込バランス型投資信託が設定されるだろうか。個人的には保険会社系の資産運用会社の特化型投資信託設定に期待したい。業界ナンバーワンのニッセイに続く動きを2位以下がする可能性は低くないはず。

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*1:J−REITを組み込んでいるものもいないものもある。

*2:前日比▲63.89

*3:前日比+95.45

*4:ちなみに設定日における純資産総額は約18億円程度。