ほぼ全面安の展開

全般的に低調な一日。やはり昨日の反動だろう。おそらく昨日の高値引けを見て、グローバル・ワン不動産の公募増資用の資金作りのための利確・換金が行われたのではないか。しかし東証REIT指数は2400ポイント台半ばで、高値圏にあるのだから、悲観的な見方をするのは早計である。明日はあっさり反騰しそうな気がするが、果たしてどうなることやら。

  • 今日の東証REIT指数:2441.45(-26.86)
  • 東証一部値上がり率ランキングランクイン銘柄(〜100位)
    • 034位:プロスペクト・レジデンシャル
    • 054位:ユナイテッド・アーバン
    • 058位:グローバル・ワン不動産
    • 059位:ジャパンエクセレント
    • 067位:日本コマーシャル
    • 100位:クリード・オフィス
  • 個別銘柄ショートコメント
    • ケネディクス不動産…この銘柄がどうということではなく、関連会社のケネディクスについてである。この会社はケネディクス不動産はもちろん、日本ロジスティクスファンドの共同事業主でもある。ということで、J−REIT市場との関わりは非常に強いのだが、新たなファンドを立ち上げることが公表されており、その名前は Challenger Kenedix Japan Trust である。なぜ横文字が並んでいるのかと訝しがる人もいるだろうが、この銘柄はオーストラリアの証券市場に上場する*1からである。*2 投資対象は、日本の商業施設系不動産であり、これはケネディクス不動産(オフィスビル主体)、日本ロジスティクスファンド(物流系特化)の投資対象と(あまり)競合しないようにとのこと。上場時の資産規模は約410億円とのことで、J−REIT市場への新規上場銘柄と比較しても遜色ないクラスである。以前に不動産ファンドの国際化で書いた、ルビコン・ジャパン・トラストとガリレオ・ジャパン・トラスト のような手法が、日本の企業からも行われるようになったことが意味するところは結構大きいのではないか。野村不動産レジデンシャル以降新規上場銘柄のない状況となっているが、日本の不動産を投資対象とした不動産投資信託が海外市場で上場されはじめたことと無関係ではないはずだ。その影響力を考えると、物件取得競争の激化は当然のこととして、それ以上にJ−REIT市場の拡大という面でのマイナスを憂慮したい。今後ますますこのような例が増えれば、日本市場における新規上場銘柄は減少の一途だろうし、既上場銘柄も生き残りをかけるため、合併その他の手法を模索することになるだろう。昨年、海外の不動産を投資対象とした不動産投資信託の設立を認めようとする動き(つまり今回の逆パターン)があったが、結局自然消滅したような状況となっている。世界各国のREITを投資対象としたファンドも多く設立され人気を博している現状を踏まえると、成長余力の少ない国の市場はどんどんその投資比率を下げられていくだろう。「外国人の買い支えで成長してきた」という声もあるJ−REIT、将棋でいえば次の一手が極めて重要な中盤の考えどころの局面を迎えている。
  • 個人としての資産運用状況
    • 寄り時点で日本ビルファンドを1口売却。今日の値動きを見る限り、結果的に成功だった。売り基調に転じたかと思ったが、また買い基調に戻ったようだ。明日は1口仕入れるとするか。

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*1:オーストラリア版REITである LPT=Listed Property Trust

*2:なおChallenger は共同事業主であるオーストラリアのチャレンジャー社(Challenger Financial Service Group Limited:CFG)を指す。