• 今年に入って、既に4銘柄*1が増資を公表・実施している。昨年末から今年に入り、新規上場予備軍だった投資法人が次々と上場を断念・解散しているので、既上場銘柄の増資が市場規模拡大の主流となるだろう。投資法人が解散する以上、清算を行うわけで、結局保有する不動産を市場に売却することになり、それを既上場銘柄が購入するための資金作りとしての増資が行われるからだ。金融機関からの借り入れが厳格になっているらしいので、資金調達の手段として増資が今後さらに多用されるだろう。(投資法人債の発行という方法も一応あるが…)借り入れ返済に増資を充当すると、次の物件購入時に新規融資を引っ張りづらい。とすれば、既存の借り入れはなるべく温存し、直接金融での物件購入が資産運用会社のとるスタンスだ。
  • さて、前置きが長くなってしまった。本題の2月決算期銘柄の増資についての展望に移る。正直なところ「オリックス不動産以外の全ての銘柄に可能性あり」だ。時価総額3位の日本リテールファンドが過去の増資サイクルからして、次の増資に踏み切るのはほぼ確実だし、その他の銘柄も可能性は50%以上である。4月の決算発表は大荒れの予感がする。
銘柄名 直近の公募増資 直近の第三者割当増資 備考
日本リテールファンド 2006/09/21 2006/09/27
オリックス不動産 2007/10/03 2007/10/30
ニューシティ・レジデンス 2006/11/22 2006/12/20
福岡リート 2006/09/07 2005/07/21 三者割当増資は上場時
エルシーピー 2006/05/23 2007/03/29 公募増資は上場時
日本アコモデーションファンド 2006/08/03 2006/09/04 上場以来なし。
日本コマーシャル 2006/09/25 2006/10/24 上場以来なし。

*1:日本ビルファンド、ジャパンリアルエステイト、フロンティア不動産(3/24が第三者割当増資払込期日)、野村不動産レジデンシャル